課題を解決しましょう

まずは事業を元気にしましょう

 ■事業を元気にしましょう
 金融機関が行った「事業承継の際に想定される課題」というアンケートの中で、一番多かった回答が「事業の将来性が不安」というものでした。
 事業をお子様に承継させる場合も、第三者に託す場合も、事業が元気でなければなりません。
 事業承継を考える前に、まずは会社を元気にしましょう。
 
 ■まずは売上を伸ばしましょう
 なぜ売上が伸びないのか、それは大きく2つの要因があります。
 市場が小さくなっていたり、競合との競争に負けている。これが原因であれば、お客さんがいる場所で、競合に勝てる商品やサービスを作るしかありません。
 また、お客さんが居て、競合に勝てる商品やサービスがあるのに売れないのは、その商品やサービスがお客様に届いていないことが原因です。

 この「商品を整理する」プロセスと「お客様に届ける」プロセスを整理して、売上を伸ばすことが出来ます。
 売上を伸ばすプロセスをもっと知りたい方は、売上向上サポートをご参照下さい。

 ■成長するための決め手です
 よく知られてはいますが多くの会社でできていない、事業を成長させるための手法に「PDCA」あります。
 これは「Plan Do Chekc Action」の頭文字を取ったものですが、計画を「作成」して「実行」して「検証」して「見直す」という事を繰り返すというものです。

 大変有効な手法ですが、ほとんどのケースではきちんと計画が作成されておらず検証のプロセスもあいまいです。
 しかし、ちゃんと実行すれば、これほど効果のある方法もありません。「PDCA」の正しいやり方にご興味のある方は、PDCAコンサルティングをご参照ください。

 ■事業を再生させます
 市場の縮小等もあり会社の状況が思わしくなく、現在債務超過であったり、金融機関にリスケ等の支援をお願いしているケースがあります。
 お子様に事業を承継させる場合はもとより、第三者に託す場合も、財務内容を健全にしておく事は必須です。

 事業計画を作成しPDCAをちゃんと行う事で事業を立て直し、金融機関とも話し合いを行って金融を正常化させてから事業の承継を考えるべきです。
 また、必要に応じて、より抜本的な再生のお手伝いも行います。
 事業の再生支援についてご興味のある方は、事業再生サポートをご覧ください。
 

後継者の課題を解決しましょう

■後継者の力量不足をどうするか
 金融機関が行った「事業承継の際に想定される課題」というアンケートの中で、一番多かった回答が「事業の将来性が不安」というものでしたが、二番目に多い回答が「後継者候補の力量不足」でした。
 後継者の力量不足は、事業の将来性の問題とあいまって、事業承継を躊躇させている最も大きな原因と言えるかもしれません。

■後継者も悩んでいる
 みずからが創業したり、事業の承継を受けた際の苦労を思うと、現在の後継者候補に物足りなさを感じている経営者は多いです。
 先ほどのアンケートの上位回答には、「社員の理解が得られない」というものもあり、承継後の不安が大きい事がうかがえます。
 その反面、後継者候補自身も、社内での立ち位置や人間関係等で長年深く悩んでいるケースも見受けられます。


■成功体験を積んでもらう
 まずは、事業を成長させるための手法である「PDCA」を使い、後継者候補の方に事業における成功体験を積んでもらうことが必要です。
 それにより、後継者が社内での居場所を確保でき、憂いなく後継者へ事業を承継させることができます。
 私たちは、PDCAコンサルティングの手法を主とし、後継者候補が経営者として成長できるための「後継者育成プログラム」をご用意しております。

■第三者への承継には
また、同族ではない後継者をお探しの場合は、事業の譲受先をお探しすること(M&Aサポート)も可能です。

承継した後のことを考えましょう

■財産を承継するのか、事業を承継するのか 
 同族の事業承継を考える場合、誰を後継者にするかという「事業」と、自社株を誰に譲るかという「財産」の2つの視点があります。
 「事業」の承継にめどが立っても、「財産」を承継する際にトラブルになることがあります。

■考えられるトラブルとは
 ①株式が分散する事によるトラブル
 かつては自社株を兄弟等に均等に分け与えるケースなどもみられましたが、その後続く相続により株式が多くの親族株主に分散します。
 同族の場合、相続税における株価評価は一般的に高く、相続税の負担が重い親族株主から株式の買い取りを要求される等、トラブルになるケースがあります。
 
 ②相続に関するトラブル
 事業を承継する後継者が自社株を引き継ぐことが最もスムーズですが、自社株以外の財産とのバランスを考えた時に、他の相続人から不平等だと言われるケースがあります。
 そのことが引き金となり結果として争いに発展します。「相続」ではなく「争続」になってしまいます。
 また、納税資金の準備が少ない場合は、自社株の相続と同時に多額の納税資金を借金せざるをえないケースもあります。

■トラブルを起こさないために
 これまで一生懸命働いてきた結果、家族が争ったり、また後継者が借金を抱えたりすることは決して本意ではないはずです。
 これらのトラブルは、事業承継を考える場合に事前に検討しなければなりません。私たちは経験豊富な外部専門家とともに、それらのトラブルを事前に解消するお手伝いができます。
 ご興味のある方は、「相続等の課題解決サポート」をご覧ください。
 

事業内容

売上向上サポート

■売上を伸ばすための3つのSTEPと4つのツール
 売上を伸ばすには、3つのSTEPと4つのツールを使います。

■STEP1 現状を認識して目標を立てる
 まずは、現在の売上を分析します。分析するには、「KPIツリー」というツールを使います。
 KPIツリーは、売上を「客単価」×「客数」等に分解してツリー状の階層構造を作るもので、現状の売上の構造を「見える化」し、現状を認識します。

 次に売上の目標を決めます。この目標はとりあえず仮置きでも構いません。(損益分岐点を超える売上等、何らかの根拠があれば、よりリアルな目標になります)
 その売上目標を達成するために、どの項目を変えるのか、について複数パターンを考えます。
 
 具体的に知りたい方は、「パイナップルショップの売上を倍にする」の「KPIツリーを使って目標を設定する」をご参照ください。
 
■STEP2 商品を整理する
【ペルソナの設定】
 作り上げた目標を実現するためにターゲットとする顧客を具体的にイメージします。
 それには、「ペルソナ分析」のツールを使います。ペルソナとは、提供する商品のメインターゲットをよりリアルにイメージしたものです。
 目標としたKPIツリーの組み立て方によっては、現在のメインターゲットではない属性を持つ人たちがペルソナとして設定されることがあります。

【戦略キャンバス】
 次に、現在の商品の特徴を把握します。
 それには、「戦略キャンバス」というツールを使います。これは「ブルーオーシャン戦略」で開発された分析ツールで、分析項目をカスタマイズしたものです。

【ペルソナと商品のすり合わせ】
 現在のメインターゲットではない人たちがペルソナで設定された、つまり新たなターゲットが想定された場合、そのターゲットと現在の商品の特徴が整合しているか、という点が重要になります。
 それを整合させるプロセスが、「商品を整理する」というプロセスになります。

具体的に知りたい方は、「パイナップルショップの売上を倍にする」の「ペルソナ分析と戦略キャンバスで商品を整理する」をご参照下さい。
 
■STEP3 商品を届ける
 ターゲット顧客が決まり、顧客が求める商品が整理されたとしても、それだけでは商品は売れません。
 商品を顧客に届ける必要があります。
 顧客はまず商品を認識し、戦略キャンパスで整理した商品の特徴や競合との対比を認識し、購入を決断し、商品を使い、リピートするまで様々な体験をします。
 それらの体験を全て統合して「届ける」という言葉を使っておりますが、そのプロセスを分析して、「届ける」ための手法を整理するために「カスタマージャーニーマップ」というツールを使います。

具体的に知りたい方は、「パイナップルショップの売上を倍にする」の「カスタマージャーニーマップで商品を届ける」をご参照下さい。
 
■行動計画の作成とPDCAの実行
 売上を伸ばすには、「商品を整える」プロセスと「商品を届ける」プロセスを整理する必要があります。
 目標を達成するために、商品を整え、届けるプロセスは、「仮説」に基づいた行動になります。行動計画を作成して、それに基づいてPDCAをまわして、結果に基づきプロセスを修正し、より早く売り上げを伸ばすという目的を達成することが狙いです。

 PDCAについては、「PDCAコンサルティング」をご参照下さい。
 
【お手伝いできる事】
 4つのツールを使い、「目標設定」「商品の整理」「商品を届ける」「行動計画作成」までをサポートします。
 また、業種ごとに各種の専門家と「パワーチーム」を組成しており、実行の支援についてもワンストップでお手伝いが可能です。
 どの業種に対してお手伝いが出来るかは、今後順次リリースして参ります。
 

事業内容

PDCAコンサルティング

■PDCAとは
 Plan(計画)Do(実行)Check(検証)Action(改善)の頭文字を取った経営改善の手法で、主に生産管理や品質管理のために開発されました。
 その後、生産管理だけではなく様々な経営管理の分野で用いられるようになりました。

■PDCAが回らない
 計画したことを実行し検証した結果を用いて計画を修正しまた実行する、というプロセスを「PDCAを回す」と言います。
 これは古くから知られた手法ではありますが、事業計画等の進捗確認等、生産管理以外の場面では「PDCAが回っていない」ケースが多く見られます。
 
■なぜPDCAは回らないのか
 何らかの計画(Plan)を作り、それをチームやグループで進捗管理を行おうとした場合があるとします。
 その計画(Plan)をチームやグループのメンバーが作らず、外部から与えられた場合や、その達成のための行動計画等が示されていない場合、実行(Do)の後に行われる検証(Check)の段階は「なぜ数字が達成できていないのか」についてメンバーが「責められる」場になりがちです。
 「計画の未達→責める」のサイクルを繰り返すと、発言は言い訳の繰り返しになり、会議は生産的にならず、成果が上がらないままPDCAのプロセスがうやむやになるか、継続する場合も無駄な会議を延々と実施する事になります。
 
■計画の作り方(勝ちパターンの発見)
 まずは計画の作り方が大事です。
 例えば、現在の事業の売上を増やしたい場合、「現在なぜお客様が製品やサービスを買ってくれているか」について現場のメンバーで話し合います。
 その結果、買ってくれている理由(これを「勝ちパターン」といいます)が見つかった場合、この勝ちパターンが正しいかどうかを確かめる必要があります。
 確かめるための行動計画が、作るべき計画(Plan)となります。また、勝ちパターンはあくまで仮説です。
 売上を上げるための計画づくりについては、売上向上計画サポートをご参照下さい。
 
■検証の実施と改善
 計画が実行された後で、成果が上がったかどうかを検証します。成果が上がれば勝ちパターンが正しいという結論を下し、その勝ちパターンに基づく行動を他のメンバーに拡大する等を行いますし、正しくなかった場合は仮説である勝ちパターン自体を修正して再度実行します。
 この検証の場はメンバーを詰めたり責める場ではありません。あくまで前向きに仮説を見直すプロセスです。
 
■誰でもできる・必ず成果があがる
 計画を作る際には、検証しやすいように行動を数字で表現した指標(これをKPIと言います)を作る等のテクニックはありますし、メンバーから勝ちパターンを吸い上げる技術(ファシリテーション等)は必要ですが、これは誰でも学習することができる技術です。
 また、PDCAをちゃんと回せば、少しづつ正しい行動へ軌道修正して行けることから、必ず成果が上がります。
 勝ちパターンが全くない事業は、もうすでにこの世に存在していません。今売り上げをあげているということは、何らかの勝ちパターンのエッセンスは存在しております。
 
【お手伝いできる事】
 弊社が提供するPDCAコンサルティングは、上記PDCAプロセスを導入し、社内で自律的にPDCAを回せるまでコンサルティングを行うものです。
 ビジネスの正解はすべて企業の内部にあります。そのため、ベンチャー事業のように社内に「勝ちパターン」の要素が積みあがっていない場合や、使える社内の経営資源があまりに乏しい場合は不向きです。
 

後継者育成プログラム

■課題を見極める

 後継者候補が社内で存在感を示せていない状況がある場合、理由を探る必要があります。本人に課題がある場合もありますが、多くの場合はあらゆる人間関係と同様に、当初のほんの少しのボタンのかけ違いと、その後の長い時間が積み重なった結果によるものです。 
 

■成功体験を積む

 それらの積み重ねは一朝一夕で改善するものではありません。周囲を変えようとする努力は無駄に終わる事が大きく、それよりも後継者本人が変わるきっかけを作ることが重要です。
 ビジネスの場で本人が変わるための最も近道は成功体験を積むことにあります。主体的に行った取り組みで成功を体験するためにはPDCAの手法極めて有効であり、この手法を学び、自らのものとする事でその後の事業の継続的な成長を見込むことができます。(PDCAコンサルティング
 

■会社の未来をどうするべきかを探る

 PDCAを学び成功体験を積んだことで、事業を承継する入り口に立ったと言えます。
 後継者候補が、事業環境の大きな変化を見通し、成功体験をもとに会社を今後どのように成長させてゆくのか、どのような事業分野にチャレンジしてゆくのか、これまでの歴史をふまえ、組み立ててゆく必要があります。


【お手伝いできる事】

 課題を見極め、成功体験を積み、会社の未来を再構築するまでを一貫してサポート致します。詳細は、個別に内容をヒヤリングしながら設計して参ります。

M&Aサポート

■誰に事業を譲るのか

 事業を継続させるため、家族や親族ではなく第三者に会社を譲渡するケースが増えています。同業の企業への譲渡もありますが、大手企業の傘下に入る、ファンドへ株式を売却する等、その選択肢は広がっています。
 事業と従業員を守り、加えて創業者利益である株の譲渡代金を現金で受け取ることができるM&Aに抵抗感が少なくなってきています。
 

■どうやって情報を手に入れるか

 ある程度規模が大きな会社であれば、事業承継M&Aを専業とする会社や金融機関等からの提案や問い合わせがあったりしますが、そのような機会が無い場合、こちらから積極的に情報を集めていく必要があります。
 民間の専門業者に問い合わせる以外では、中小企業庁では後継者不在などで、事業の存続に悩みを抱える中小企業・小規模事業者の方の相談に対応するため、全国47都道府県の認定支援機関(商工会議所等)に「事業引継ぎ相談窓口」を設置しております。
 また、特に事業引継ぎ支援の需要が多い全国7箇所(北海道、宮城、東京、静岡、愛知、大阪、福岡)に「事業引継ぎ支援センター」を設置しております。


■その意思決定で本当に良いのか

 M&Aの情報を集めても、必ずしもM&Aありきではありません。メリットとデメリット、どのような機会があるかについて一通り理解した上で、後継者の資質や事業の方向性を見極め方針を出す必要があります。
 会社を譲渡しようとした経営者が、譲受先を探す中で、会社を買って事業を大きくする方針に切り替えたケースもあります。
 事業の方向の選択時に「正解」はわかりません。選択した方向に進み、それをやり遂げて成功したときに「正解」であったと言えるのです。
 

【お手伝いできる事】

 M&Aの方針が決まっている方や、買主の情報が十分入る方は、専業の会社や金融機関にお任せした方が良い結果が得られると思います。
 その中で、総合的に事業の方針を見極めたい、M&Aの基礎を知りたい等のご要望がありましたら、ご連絡ください。

事業再生サポート

■財務的な課題を解決することがまず必要
 金融機関に元本返済のリスケジュール等支援をお願いしている場合や、債務超過である場合は、事業承継を行う前にそれらの状況を改善させておく必要があります。
 同族で承継をさせる場合、債務保証の苦労を引き継がせる事になりますし、第三者に承継させる場合は、事業によほど魅力がある場合を除き、過剰な債務の部分は承継したがりません。 
 
■窮境原因の見極めと実抜計画の作成
 現在会社が厳しい状況(窮境)にある場合、窮境に陥った原因(窮境原因)を見極めることから始めます。
 そして、窮境原因を改善してゆくことを根幹にした「事業再生計画」を作成しなければなりません。通常この計画は「実現可能性があり、抜本的な計画」である必要があると言われており、「実抜計画(じつばつけいかく)」と呼ばれます。
 
■金融機関との話し合い
 作成した実抜計画をもって、金融機関に支援の依頼を行います。リスケを行っている場合は正常化に向けた計画を作りますし、過大債務の程度が大きい場合は、債務をもっと抜本的に見直す方向で考える必要があるかもしれません。

■計画実行のモニタリング
 金融機関との話し合いで方針が決まった場合は計画を実行してゆきます。その際には計画の進捗確認ツールであるPDCAが有効です。(PDCAコンサルティング)。
 リスケ等で一度金融機関の信頼を失っている場合、それを取り戻すには時間がかかります。
 計画の着実な実行と適切な情報開示等を継続する事により、金融機関との関係を正常化させます。後継者が事業再生の中心にいて事業を牽引している事も金融機関への見せ方としては重要です。

【お手伝いできる事】
 計画の作成から金融機関交渉のお手伝い、計画実行のモニタリングまでをお手伝い致します。

相続等の課題解決サポート

■相続を争続にしないために
 相続財産の中で自社株の比率が高い場合、事業の後継者に自社株を集中させるために後継者の財産分与の比率が高くなる可能性があります。
 それらを契機に家族の中で争いが起こり、結果として家族の関係が悪化することは本来望ましくない事です。
 それらを解決するためにはまずは正確な相続税額の把握と、それをもとに寄与分、遺留分等の額を想定しつつ、遺言書を作成することが必要です。

■相続税をどうにかしたい
 日本の財政を考えると、今後所得税と相続税は増税になることは明確です。その中で、毎年税制改正があり税の制度は変わって参ります。
 昨年までの税制で計算された税額が、来年からは大きく変わる可能性もあります。それらを専門家の力を借りながら正確に把握し、制度が変わる前に何らかの対策を講じる等、増税時代だからこその知恵が求められます。

【お手伝いできること】
 弁護士、税理士、司法書士等外部の専門家とチームを組み、遺言書の作成から税額の把握、税制改正に備えた対策の立案から提案までをチームで提供致します。










     

パイナップルショップの売上を倍にするには

KPIツリーを作り目標を定める

 ■オーナーの無理難題
 南の島にパイナップルショップがありました。
 島の名産品は高級パイナップル、島には月間5000人の観光客がやってきて、皆パイナップルを買っていきます。
 島にはパイナップルショップが3軒あります。取り扱う商品に差はありませんが、売れ行きはかなり違います。

 そのパイナップルショップは毎月の売上が10万円でした。内容を分析すると以下の通りでした。
 ①売っているパイナップルは1種類で、1個の値段は1000円
 ②1か月の入店者数が300人で、3人に一人が購入
 ③お客さんは平均で1人1個購入
 
 ある日、オーナーから「このお店の売上を月額20万円にしてほしい」との要請がありました。困った店長はまずは現状を見える化することから始めました。
 「KPIツリー」を作ることにしたのです。いろいろ頭を悩ませながら作ったツリーがこれでした。


 

 ■売上を20万円にするには
 さて、現状はわかったのですが、売上を2倍にするにはどこを変えてゆくか。それにはこのツリーの一番右の部分を変えれば良い事がわかります。
 1個2000円のパイナップルを売れば売り上げが倍になる、一人が平均2個買ってもらっても、入店者数が倍になっても、3人に2人が買ってくれても倍になります。

 しかし、世の中そんなに甘くはありません。1個2000円のパイナップルなんて売れるはずがない、等現実の壁に突き当たります。
 そこで、現実的にどの数字をどの程度伸ばすことで目標の売り上げを目指すのか、についていろいろ考えました。

 ■出来上がった目標
 現場のスタッフを交えていろいろと議論した結果、みんなでやれば実現できそうな目標を作ることが出来ました。

 平均購入数を1.5個にする(2人にひとりは2個買ってもらう)
 平均購入率を45%にする(2人にひとりに買ってもらう)



【大事なこと】
 店舗の売り上げを上げるという命題でコンサル等に依頼すると、まずは市場調査と顧客へのアンケートを始めます。
 しかし、それでは順番が違います。売上ツリーを現場のメンバーが参画して、自らの手で解決策を作り、何を実行してゆくかを自らがイメージすることが重要です。
 ツリーを作ることで「売上の構造の見える化」を図り、数字を変えてみることで無意識のうちに「対応のシミュレーション」を行う。その事が現場の知恵を活用し、課題の解決や目標の達成に至るカギとなります。

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ペルソナ分析と戦略キャンパスで商品を整理する

 ■どの目標を目指すか
 KPIツリーを作って目標を立てましたが、現時点ではあくまでイメージにすぎません。それをより具体的にしてゆきます。


 

 ■今のお客さんと目指すお客さん
 今来ているお客さんは、全て観光客ですが、男性の比率が高くてご家族へのお土産を買う人がほとんどです。
 他のお土産のついでに買う人が多く、重たいパイナップルを複数買う人はほとんど居ませんでした。

 一人で2個買う人はどんな人だろう、それを具体的にイメージしますが、それには「ペルソナ分析」のツールを使います。
 まずは店員に、これまで複数パイナップルを買った方がどんな人たちだったのかについてヒヤリングを行いました。
 
 その結果、複数購入する数少ないお客さんは圧倒的に女性が多い事がわかりました。その購入動機についてもヒヤリングしましたが、デザートとして食べるほかに、「料理にも使う」方が複数いらっしゃることがわかりました。

 それをもとに、今後複数購入してもらいたいターゲット顧客の特徴を、「性別」「年代」「職業」「年収」等の【基本属性】と、「趣味」「消費動向」「利用しているメディア」等の【行動属性】ごとに洗い出し、分析します。

 皆で考えたペルソナは、以下の通りです。(例示のため簡易化しています)
【基本属性】
40代主婦、世帯年収800万円、近所のスーパーでパート、家族構成は夫と中学生の子供2人、情報やおしゃれに敏感、健康志向、カードでポイントをためるのが好き。
【行動属性】
趣味は料理と家族旅行、新しいもの好き、インスタグラムをやっており作った料理の写真をアップすることが大好き、「いいね」の承認欲求が高い、お土産は食べものに偏りがち、子供に今後お金がかかるので、コストパフォーマンスにはシビア。
 

 ■ペルソナと商品の整合
 商品の特徴を整理します。商品の特徴は、商品が持つ「基本的な機能」と、価格や品質等の「特性」そしてそれ以外の「特徴」を競合との比較で整理します。
 それには、「戦略キャンパス」のツールを使います。 



 すると、想定したペルソナと商品の不整合が見えてきました。
  • 競合と比較して「お得感」が少ない(【価格】と【品質】の課題)
  • 複数のパイナップルを持ち帰るのは重たいし、パッケージがおしゃれではない(【仕掛け】の課題)
  • パイナップルの料理方法や健康に関する情報を発信出来ていない(【仕掛け】と【接客】の課題)
  • カードが使えない(【決済】の課題)
  • お店に清潔感が無い(【清潔さ】の課題)
 
 ■商品の整理
 そこで、明らかになった弱点を修正しました。
 
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具体的には以下の事をやってみました。
  • パイナップルの見た目や陳列方法を工夫。またPOP等を活用し、品質についてアピールすることで、お得感を実感してもらえるようにしました。
  • 二つのパイナップルを持って帰れるようなおしゃれなパッケージを導入しました。
  • レシピを店内に張り出すとともに、店員に料理法等についてのアドバイスが出来るように教育しました。また、店内で、デザート作り等を実演してみました。
  • カードが使えるようにしました。
  • 店の清掃を徹底しました。

 内外装や動線等の、大きな費用の掛かる対策は避け、現状出来る範囲での変更にとどめました。
 競合に比べて、特徴が出てきたように感じます。


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カスタマージャーニーマップで商品を届ける

 ■商品を届けるとは
 ペルソナを設定して、ターゲットの顧客層にあわせた商品の特性を変えましたが、それだけではパイナップルは売れません。
 その商品をターゲットの顧客に届けなければならないのです。

 パイナップルを届けるとは、パイナップルショップの存在やパイナップルを認知してもらうだけではありません。パイナップルの味や価格、品質、お店のしつらえ等について、競合との比較をした上でキチンと理解してもらう事です。

 また、ターゲットの顧客がどこにいるのか、その理解も大事です。店の前を歩いているのか、島にいる方たちに告知するのか、島の外の方たちに知らせるのかによって知らせるツールが違います。

 ■どのような体験をするかの整理
 ターゲット顧客に対して、商品をどのように認知してもらい、どのようなステップで味、価格、品質等の特徴を理解してもらい、どのように味を体験し、それらを他者に広め、リピートしてもらうか。についてのプロセスを整理します。
 顧客の体験を整理するには「カスタマージャーニーマップ」というツールを使います。

 例えば、ターゲット顧客とパイナップルの最初の接点を、店の前にするのか、SNS等で事前に認知してもらうかで、入店への誘導方法が変わります。
 入店後の接客やPOPでの案内、レシピの配布等による購入までの誘導、そして重たいパイナップルを宅配便で運ぶのか、持ち帰るのか、まで。
 顧客登録の仕組み作りやレシピコンテスト等のイベントの開催。ご紹介キャンペーン等のイベント等、様々な体験が想定できます。

 それらの体験を整理して、体験ごとに顧客の心理状態を推理し、課題や対応策を検討していきます。

 ■行動計画を作る
 商品を整理し、体験を整理するこの行動は、精度の高い仮説です。この仮説に基づきどのように行動するかの行動計画を作ります。
 そしてこの行動計画をもとに、「PDCA」をまわしてゆくのです。

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代表プロフィール

代表プロフィール

金融機関(日本債券信用銀行)系不動産ディベロッパーに入社後転職。
米国会計事務所
KPMGにおいて、金融機関の不良債権処理と企業再生を手掛ける。

その後、産業再生機構において複数の企業の再生に関与。

証券会社系のバイアウトファンドで、複数の未上場企業への投資を実施。

船井財産コンサルタンツ(現、青山財産ネットワークス)において、事業承継のビジネスを通じて、企業オーナーの様々な課題を解決。

現在はMCF代表を務めながら、複数の企業のコンサルティングを行う。

会社概要

会社名 株式会社MCFコンサルティング
所在地 〒101-0054
東京都千代田区神田錦町3-21
 ちよだプラットフォームスクウェア1120
TEL 03-5259-8048
代表者 松野 慈

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